Column
英語学習コラム
イマージョン教育と教育の国際化
イマージョン教育とは?
第2外国語でその言語以外の科目を学ぶことです。
日本人の多くが第2外国語を英語としているため、
ここでは、英語で算数や理科などの科目を学ぶことを指します。
イマージョン教育の効果?
私は、以前アフリカの孤児院で生活しつつ、
小学校と中学校で算数と理科を教えていました。
アフリカとは言っても英語を公用語としている国であったため、授業は英語で行っていました。
まさにイマージョン教育ですね。
アフリカ滞在当時の授業風景
アフリカの子供たちはなぜ英語で授業を理解できるのか?
アフリカに住む人の第一言語は自分の民族の言語であることが多いです。
私が滞在していたカメルーンでは国内に約250民族いるため、250近い言語が存在します。
日本と比較すると大きく違いますね。
彼らは生まれてからずっと自民族の言語で育つわけです。
しかし、小学校に入学をすると、学校生活のすべてが英語に変わります。
教科書は、イギリスの教科書をベースに作ったアフリカ用のものを使っていました。
小学1年生はたどたどしい英語を使いながら、必死に勉強をしていました。
小学2年生ごろになるとほとんどの生徒が日常会話レベルのコミュニケーションをこなせていました。
小学校4、5年生ごろになると、問題なく英語での算数の説明を理解することができていました。
このような光景を目の当たりにして、アフリカの教育は遅れているという認識を大きく改めたのをいまでも覚えています。
日本在住のアフリカ人の言葉が与えた衝撃
日本に帰国してから、アフリカ人で日本に留学している学生と話をしたときに、
「日本にきて一番驚いたのは、授業が日本語だったってことです。
てっきり英語で授業を受けられると思っていました。」
という言葉を聞きました。
それを聞いたとき、
「たしかに。」
と思ってしまいました。
インドやシンガポールなど、英語が母国語ではない国でも、英語を公用語としている国は多くあります。
当然それらの国の学校の授業はすべて英語です。
海外から見ると、日本の教育システムは珍しいということに気づかされ、
同時に、今後この国の教育もそういう方向に動いていく可能性もあるのではないかと考え始めました。
国際バカロレアと教育の国際化
日本でも、最近、国際バカロレアの対応が注目を浴びてきているのを皮切りに、すこしずつ英語での学習の方向にシフトしつつあるかと思います。
当校でもインターナショナルスクール生を中心に、英語での算数の授業をご希望される方が増えてきています。
海外の数学教育と比べると日本の数学教育のカリキュラムは独自性が強いため、上手に英語化を図る必要があると感じています。
今後、イマージョン教育の強化をしつつ、よりよい教育を提供していきたいと考えています。